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クインシー・ジョーンズ『愛のコリーダ』

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Quincy Jones『Ai No Corrida』 大島渚監督の映画から付けられたタイトル「愛のコリーダ」。名プロデューサー、クインシー・ジョーンズが豪華ミュージシャンを贅沢に起用して名曲に仕上げました。 Quincy Jones『The Dude』UHQCD ※このブログはアフィリエイトプログラムを利用しています。 謎のタイトル「愛のコリーダ」の由来とクインシー・ジョーンズの手腕 どこかで聞いたタイトルがクインシー・ジョーンズのアルバムの邦題に使われているのと、キング・クリムゾンの『21世紀の精神異常者』に対抗できそうなインパクトのあるジャケットに惹かれて買ったのが『愛のコリーダ(The Dude)』です。 どこかで聞いたタイトルは、未見ですが阿部定事件をモチーフにした大島渚の映画『愛のコリーダ』でした。タイトル曲はイギリスのミュージシャン、チャズ・ジャンケルとケニー・ヤングの曲で、映画を観たケニー・ヤングが、メロディーに合うと考えて曲名になったのだそうです。 この曲をソングライターのロッド・テンパートンがクインシー・ジョーンズにアルバム収録曲用に紹介して、大幅にアレンジを加えてヒットしたのが「愛のコリーダ(Ai No Corrida)」という、日本人からするとややこしい経緯があったのです。 アルバムの1曲目に収録されたこの曲は、下部の楽曲情報にあるように多くの著名ミュージシャンを贅沢に使い、ソウルやR&B、ファンク、ポップスを混ぜたようなゴージャスな仕上がりになりました。色々と詰め込んでもポップでダンサブルで馴染みやすい曲になるところが、さすがはクインシー・ジョーンズだと思います。 このアルバムにはマイケル・ジャクソンがバック・ボーカルで2曲目の「The Dude」に参加しています。クインシー・ジョーンズは79年に彼のアルバム『オフ・ザ・ウォール』、82年にはモンスターアルバム『スリラー』もプロデュースしていて、とにかくヒットする曲やアルバムを作る才能に長けている人です。 「愛のコリーダ」はプロデューサーとして大ヒット作を連発している時期にリリースしたアルバムで、タイトル曲にも耳に残るメロディーやアレンジなどヒットしそうな要素が満載です。ファニザニ・...

シャーデー『スムース・オペレーター』

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Sade『Smooth Operator』 ドラムスとパーカッション、ベース、テナー・サックスと畳み掛けるように始まるイントロが印象的なシャーデーの「スムース・オペレーター」。低くて少しハスキーな歌声と洗練されたアレンジが、大人のムードを醸し出す名曲です。 Sade『Diamond Life』Analog ※このブログはアフィリエイトプログラムを利用しています。 大人のムード漂う名曲「スムース・オペレーター」とシャーデーの魅力 「スムース・オペレーター」を最初に聴いたときは、なんてお洒落でカッコいい曲なんだと思いました。ドラムスとパーカッションから入ってベース、テナー・サックスと畳み掛けるようなイントロが素晴らしく、特にベースの入り方は最高ですね。 シャーデーのやや低めで少しだけハスキーなボーカルが始まれば、もう一気に引き込まれてしまいます。間奏のベースとテナー・サックスがまたお洒落でカッコ良くて、シンプルな構成ですが全体的にムード満点のアレンジが素晴らしい曲です。 シャーデー・アデュー(Sade Adu)はナイジェリアとイギリスにルーツを持つ人で、元々ファッションを学びモデルの経験もあるというそのルックスにどうしても目が行ってしまいますが、声を張らなくても聴き入ってしまうボーカルが魅力的だと思っています。 彼女は「スムース・オペレーター」を始め、アルバム『ダイアモンド・ライフ』のほとんどの曲で作詞作曲に関わっています。落ち着いた大人っぽいメロディーにはシャウトするボーカルは必要ないので、自分のスタイルに合った曲を書いたのでしょうね。 85年にセカンド・アルバム『プロミス』を発表し、翌86年にはグラミー賞の最優秀新人賞を受賞。『プロミス』もファースト同様に名曲・佳曲揃いで、シャーデーと彼女のバンドの才能が証明された形になりました。セカンド収録の「スウィーテスト・タブー」もいい曲でしたが、何と言っても強烈に印象に残っているのは「スムース・オペレーター」です。 スポンサーリンク 【 ぷりんと楽譜:Sade - Smooth Operator の楽譜一覧ページへ 】 楽曲の基本情報 収録アルバム & リ...

ダリル・ホール&ジョン・オーツ『プライベート・アイズ』

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Daryl Hall & John Oates『Private Eyes』 満員のディスコで流れたホール&オーツの「プライベート・アイズ」は、ハンドクラップで予想外に盛り上がりました。80年代にポップ・スターになった彼らを象徴する大ヒット曲です。 Daryl Hall & John Oates『Private Eyes』 ※このブログはアフィリエイトプログラムを利用しています。 70年代のブルー・アイド・ソウルから80年代のポップ・スターへ 六本木だったか新宿だったかもう忘れてしまいましたが、会社の同僚とディスコに行ったら超満員だし大音量で会話もできないし、もう帰ろうかと思っていたところに当時ヒットしていたホール&オーツの「プライベート・アイズ」が流れてきました。 周囲の客も盛り上がって、サビの ♪Private eyes の後にハンドクラップを1回、They're watching you の後に2回というのが凄く気持ち良かったんです。案外こういう曲がディスコに合うんだという新鮮な発見で、思わぬ収穫でした。 ホール&オーツはポップに振り切ったこの曲で全米チャート1位を獲得。前年のアルバム『モダン・ヴォイス』から「キッス・オン・マイ・リスト」「ユー・メイク・マイ・ドリームス」とヒットを連発して波に乗っていた彼らは絶好調でした。 この頃はポップ・デュオとして人気だったわけですが、元々同じ大学に通っていた彼らが一緒に音楽をやるようになったのは60年代の末だそうです。77年に「リッチ・ガール」が大ヒット、79年の「ウェイト・フォー・ミー」もいい曲でしたが、全米クラスの大スターになったのは80年代に入ってからで、「プライベート・アイズ」の頃はかなりのベテランだったんですね。 70年代にブルー・アイド・ソウルと呼ばれたホール&オーツの売り物と言えば、ダリル・ホールのソウルフルなボーカルだと思うのですが、時代が進むに連れ彼らのポップなセンスが明らかになっていく過程も面白いですね。ギターとコーラスでダリル・ホールを支えるジョン・オーツは、音楽的なパートナーとして欠かせない存在だったのだろうと思います。 スポンサ...

デュラン・デュラン『リフレックス』

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DURAN DURAN『The Reflex』 デュラン・デュランの「リフレックス」は、アルバムとシングルで印象が大きく異なります。大胆なリミックスでこの曲の魅力を引き出したのは、名ギタリストのナイル・ロジャースでした。 DURAN DURAN『Seven and the Ragged Tiger』Analog ※このブログはアフィリエイトプログラムを利用しています。 凄腕ナイル・ロジャースのセンスが光るシングル・ヴァージョン デュラン・デュランの「リフレックス」はアルバムとシングルで大きく印象が異なっていて、耳に馴染んでいるのはイントロがカッコいいシングルのほうです。リミックスを担当したのはCHIC(シック)の「おしゃれフリーク」でとんでもなくお洒落なギターを披露したナイル・ロジャースです。 この人はギタリストとして優れているだけではなく、デヴィッド・ボウイの「レッツ・ダンス」やマドンナの「ライク・ア・ヴァージン」などをプロデュースしてヒットさせました。この2曲の間に手掛けたのがデュラン・デュランの「リフレックス」で、最も充実していた時期の仕事のひとつだったんですね。 彼は元のトラックを使用しながらサンプリングやテープの編集などで再構築して、シングル向きの曲に仕上げたのだそうです。イントロのサイモン・ル・ボンの声は、サンプラーを使って加工したもので、さらに女性のバックボーカルやカウベルの音も加えることでインパクトのある導入部が出来上がりました。 多才な凄腕ミュージシャン、ナイル・ロジャースがアルバム・ヴァージョンの良いところを活かしつつ短めにカットして大胆な加工を加えたことで、「リフレックス」はデュラン・デュランのメンバーも納得するリミックスでシングルがリリースされ、全英・全米共にチャートの1位を獲得したのです。 前作『リオ』でブレイクしたデュラン・デュランはイケメン揃いだったことでも注目を集めましたが、ミュージックビデオが普及したことが彼らにとってプラスになりました。ヒット曲を連発した音楽性だけでなく、意識はしていなかったとしてもビジュアルは彼らの大きな武器になったと思います。 楽曲の基本情報 収録アルバム & リリース (Alb...

レベル42『レッスンズ・イン・ラヴ』

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Level42『Lessons in Love』 「レッスンズ・イン・ラヴ」を聴くなら、まずマーク・キングのベースに注目です。高い位置に構えたジェイディーのベースから繰り出されるスラップの効いたベースラインと、メロディーにマッチした彼の歌声もまた、この曲の魅力です。 Level42『Running in the family』 ※このブログはアフィリエイトプログラムを利用しています。 レベル42「レッスンズ・イン・ラヴ」ジェイディーが生んだ極上のベースライン レベル42の「レッスンズ・イン・ラヴ」を聴いてまず耳に飛び込んでくるのは、ボーカルのマーク・キングが高い位置に構えたベースから繰り出すカッコいいベースラインです。メロディアスで輪郭がはっきりしていて、心地良いリズムで走っているようなベースですね。 縦のラインが目立つのでアレンビックかと思ったのですが、そうではなくてイギリスのジェイディー(Jaydee)というメーカーのベースで、ロンドンの楽器店で弾いてみたところ気に入って使うことになったそうです。 このベースの音と弾き心地がマーク・キングのスラップ奏法にピタリとはまり、さらにベースを弾きながら歌う彼の声もこの曲にピタリとはまって、最高のパフォーマンスを発揮することになりました。最近のベーシストに比べてかなり高い位置に構えているのは、あの弾き方に合っているからなんでしょうね。 他のメーカーのベースでも持ち前の高い演奏技術で弾きこなせるんだろうけど、あのラインの入った特徴のあるベースが彼には似合うように思います。レベル42は元々ジャズ・ファンクやフュージョンを基盤にしたバンドなのですが、「レッスンズ・イン・ラヴ」はポップなセンスも加えて成功したヒット曲です。 この曲で響く凄いベースは、マーク・キングが複数回重ねたエレクトリック・ベースにシンセ・ベースを重ねたもので、シンセサイザーで低音を補強しているんですね。タイトかつクリアな低音が曲全体をドライブさせています。 とにかく、この曲を聴くときは細かなことを考える必要もないので、気持ちの良いベースラインに身を任せるのが正解だと思います。加えてマーク・キングのあの声。これといった特徴はないかもしれないけれど、僕はこの人のボ...

ABC『ルック・オブ・ラヴ』

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ABC『The Look of Love』 ABCというバンド名、「愛の辞書」というアルバムタイトル、そして「愛のまなざし」を意味する「ルック・オブ・ラヴ」。映画音楽を思わせるサウンドを持ったこの曲は、今聴いても新鮮です。 ABC『the Lexicon of Love 』Analog ※このブログはアフィリエイトプログラムを利用しています。 映画のサウンドトラックのようなABCの名曲「ルック・オブ・ラヴ」 このアルバムは映画のワンシーンみたいなジャケットが気に入って買ったのか、「ルック・オブ・ラヴ」が気に入って買ったのか、もう忘れてしまいましたが、どちらにせよ良いアルバムに良い曲が入っていたのは確かです。 アルバムの邦題にもなっている「ルック・オブ・ラヴ」は、サウンドトラックのようなドラマティックなメロディーで、メリハリの効いたアレンジは70年代の柔らかなポップスとは明らかに違います。ワクワク感があると言えばいいのか、この先どんなメロディーが展開するのか、次はどんな音が出てくるのか、という期待感でしょうか。 バンドの名前がABCで、アルバム『The Lexicon of Love(愛の辞書)』の内容は恋愛に関するものが並び、「The Look of Love」は愛のまなざしというニュアンスだそうで、なんとも洒落ていていいなと思います。 アルバムの終盤には「ルック・オブ・ラヴ」のメロディーがリプライズするという仕掛けもあり、全体が恋愛映画のサウンドトラックのような作品になっています。中でも際立っていいのがこの曲で、今改めて聴いてみても、ところどころに80年代のポップスらしい音使いはあるものの、古びた感じはまったくありません。 ストリングスやブラス、デジタル・サンプリングも使って映像が見えるような音になっているのは、ABCのポップなセンスをプロデューサーのトレヴァー・ホーンが形にしたものです。この人はザ・バグルスで「ラジオスターの悲劇」をヒットさせた後イエスに加入し、脱退後もアルバム『90125』のプロデュースを担当しています。 ボーカルのマーティン・フライによれば、ABCは“映画のサウンドトラックのようなアルバムを作りたい”と考えていたそうで、名プロデューサーとの出...

スティング『イングリッシュマン・イン・ニューヨーク』

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Sting『English Man in New York』 ポリス時代とは少し違う、ソロ・アーティストとしてのスティングの魅力が詰まった「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」。哀愁を帯びた歌声とサックスが響く、この曲の魅力を探ってみます。 Sting『...Nothing Like the Sun』Expanded Edition 2CD ※このブログはアフィリエイトプログラムを利用しています。 スティング「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」に込められたメッセージ スティングの2枚目のソロ・アルバム『ナッシング・ライク・ザ・サン』は、前作の流れを汲んでジャズ・ミュージシャンと共に作り上げた作品で、「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」はサックスが印象的な曲です。 ポリス時代はシンプルで研ぎ澄まされた演奏の中で、スティングの少し枯れた独特な声はバンドのイメージを決定付けていました。ソロになって変わったのは彼の声を活かす音楽が、よりジャズへと近づいたことです。元々単純なロックではなくジャズやレゲエ、R&Bなど多様な音楽性があったポリスでしたが、ソロになって自分のやりたい音楽とジャズの相性がいいと考えたのでしょうね。 彼の歌声にどこか寂寥感を感じるのは常に変わらず、「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」は哀愁漂うメロディーを歌うスティングとブランフォード・マルサリスのソプラノ・サックスのコンビネーションが素晴らしく、リリース時に大ヒットはしなかったものの、今では彼の代表作のひとつになりました。 ロックな曲を歌うスティングはカッコいいのですが、彼には寂しげな曲のほうが似合うように思います。教員免許を取得して小学校で教えた経験もあり、精悍な外見ながらどこか繊細な雰囲気もあるスティングには、仲間と騒いでいるよりも一人で思索に耽っている姿が似合うような気がします。 このアルバムだけではなく『ブルー・タートルの夢』や『テン・サマナーズ・テイルズ』のジャケットを見て余計にそう感じるのかもしれませんが、“ニューヨークにいるイギリス人”は、異国で暮らす孤独を背景に、自分らしくあることの大切さを歌っているそうです。“他人が何と言おうと、自分らしくいなさい”と繰り...